仁愛大学 Jin-ai University

人間生活学科

健康栄養学科

ゼミ・研究室

池田涼子ゼミ 研究分野: 栄養学、栄養生化学

教員紹介

鉄欠乏により、体内でビタミンAが使われにくくなることをご存知ですか?重度の鉄欠乏性貧血の人は、食事から十分なビタミンAを摂っていても肝臓から血中へのビタミンAの放出が滞り、末端の組織ではビタミンA不足に陥りやすくなります。

食べた量=栄養素として使える量ではなく、体内での他の栄養素などとの相互作用により利用できる量(利用効率)が変わってきます。だからこそ栄養学は「質」と「量」のバランスが重要であり、食事内容を決めるときだけでなく、血液検査の値から対象者の栄養状態を把握して指導計画を立てる際にもそれぞれの栄養素の相互作用が栄養効率に与える影響を考慮しながらデータを読み解く必要があります。

本ゼミでは「栄養素の利用効率」、「微量栄養素の生体内相互作用」をキーワードに、基礎的研究の手法や考え方と、栄養学の実践の融合をテーマとしてゼミ・研究活動を展開しています。

卒業研究テーマの一例
  • 微量栄養素の栄養状態が耐糖能に及ぼす影響
  • アレルギー対応食における栄養素の不足と改善
  • 福井県における高齢者栄養の現状と課題 など
ikeda.jpg 若狭町でのフィールドワーク

浦本裕美ゼミ 研究分野: 食品学、食品機能学

教員紹介

食品の機能性や表示など食品に関することを扱います。

研究は、便秘症状の出易さに影響する要因として、食べる人側の個体差、つまり、遺伝的背景に着目し、日常食べている食品に含まれている成分の新たな機能性を見つけ、更に、個々の人に合うより良い食品の選び方を探求します。

また、地元農家への支援活動として地産地消・六次産業化の推進を目指し、食品開発や食育活動を佐藤真実ゼミと共同で3年時に行っています。様々な研究や体験をとおして「食べもの」を理解してもらうことを目指しています。

卒業研究テーマの一例
  • 減塩調味料の食品表示についての調査研究
  • 遺伝的背景を考慮した便秘症状改善に向けた新規機能性成分の研究
     
   
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岸愼治ゼミ 研究分野: がんと栄養、高尿酸血症

教員紹介

がん患者さんは低栄養状態であることが多く、この栄養状態の違いががんの治療に影響を及ぼすと言われています。

岸ゼミでは、学生たちとともに、匿名化された主に血液がん患者さんのデータを用いて、化学療法前や化学療法中の栄養状態を把握し、それがなぜ生じたのか、また治療効果とどのような関係にあるのかを研究しています。栄養状態の把握には単に「肥満」や「やせ」だけではなく、血液中のたんぱくや炎症など様々な要因を解析する必要があります。積極的な栄養介入によりがん患者さんの栄養状態を改善し、がんの治療効果を良くするのが大きな目標です。

また、がんとは別に生活習慣病である痛風をもたらす高尿酸血症について食事、サプリメントとの関連についても研究を行っています。

卒業研究テーマの一例
  • 悪性リンパ腫患者の栄養状態と化学療法の治療効果
  • ポリフェノールサプリメントと血清尿酸値低下効果との関連 など
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佐藤裕保ゼミ 研究分野: 臨床栄養、骨代謝

教員紹介

佐藤ゼミでは、健康と栄養にかかわるあらゆる事象をテーマにします。

専門は臨床栄養・骨代謝ですが、これらにこだわることなく「学生が興味を持ったテーマについて、どのような方法で調べれば、何を解明することができるのか」を考えながら進めます。

また、健康と栄養にかかわる地域活動にも積極的に参加し、啓発活動・食育を実践します。

卒業研究テーマの一例
  • 大学生の食塩摂取に関する実態調査
  • 高校生男女に対する骨密度及び日常生活調査
  • 大学生におけるSNSと食に関する調査
  • 就寝前行動による生活習慣への影響
  • 健康寿命延伸に向けた食生活改善推進員の活動について
  • 大学生における和食に対する意識の実態 など

山本浩範ゼミ 研究分野: 臨床栄養・ミネラルと脂溶性ビタミン

教員紹介

生活習慣病を主とした疾患に対する栄養管理、リンやビタミンDの代謝異常の理解、疾患における栄養代謝の変動に関することを扱います。私たちの身体では各種栄養素や薬物がどのような調節により代謝(消化・発酵・吸収・排泄)され、どのような生理作用を発揮しているのか?現在あるいは将来、私たちを取り巻く社会や環境において栄養学的に何が問題であり、何が未解明なのか?を科学的に明らかにすることを大切にしています。福井大学や福井県立大学、福井県栄養士会等と連携し、福井県における「健康長寿と疾患、心と栄養」について授業や実習、研究を通じ、科学的エビデンスに基づく栄養療法を開発し、高い専門性を有する管理栄養士の育成につなげたいとを考えています。

卒業研究テーマの一例
  • カルシウム・リン・ビタミンD代謝の調節(ホルモンによる栄養代謝調節の研究)
  • 時間栄養学を応用した新しい食育・栄養管理(時計遺伝子による栄養代謝調節の研究)
  • 腎不全時の栄養代謝異常と栄養管理(糖・脂質・骨代謝異常、動脈硬化、腎性貧血の研究)
  • ライフステージ栄養学から考える実践研究(小中学生、高齢者の健康栄養管理の研究)

佐藤真実ゼミ 研究分野: 調理科学、食文化

教員紹介

佐藤ゼミでは、福井県の特産品の嗜好性・調理特性・新規食品の開発、対象者別の食事と調理、調理を通した食教育、地域の食文化などをテーマにします。

調理科学の視点をもって一般の人だけでなく、幼児や高齢者の食事、治療食などについても「おいしく食べられる」「食べやすい食事」の視点で研究します。

また、福井の食や食文化を守るためにそれらを研究し、伝える活動・食育を実践します。調理を通した親子や地域との交流活動、食文化を残すための聞き取り調査・継承につながる活動もします。

卒業研究テーマの一例
  • 越前市の備蓄状況から考える災害時のえん下困難者の食事
  • 地域高齢者における食料品アクセス問題と移動販売車の実態
  • 県産コシヒカリによるグルテンフリーパンの開発
  • 福井県における現在の報恩講とその食事
  • 大学生のエコ・クッキング実態と野菜の皮等の有効利用について など
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石黒真理子ゼミ 研究分野: 応用栄養

教員紹介

ヒトはライフステージごとの身体的生理的特徴に合わせ必要な栄養素や栄養量も変化していきます。

石黒ゼミでは主に授乳中の母親(授乳婦)を対象に卒業研究を行っています。妊娠、出産を経た授乳婦は自身の身体の回復をしながら授乳を行うため、通常よりも多くの栄養を必要としています。妊娠中には体重増加量を含め食事について指導を受ける方は多くいますが、授乳婦では離乳食や赤ちゃんの発育について学ぶ機会は多いものの、自身の栄養について学ぶような機会は多くはありません。

また、授乳婦が実際にどのような栄養摂取状況であるのか、食事調査等のデータも多くないのが現状です。実際に授乳婦の方を対象に食事調査や様々な話を聞いて卒業研究としてデータ解析、まとめを行っています。

またゼミ活動として離乳食を試作し試食してもらうという活動も行っています。

卒業研究テーマの一例
  • 授乳婦の体格意識と食事摂取状況
  • 母親の体格および食生活と児の発育
  • 女子大学生におけるカルシウム摂取量とPMSの関係
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細田耕平ゼミ 研究分野: 栄養教育

教員紹介

人が健康な身体を維持したり、何か行動したりするときには、単に「何かを知っている、わかっている」という知識面以外にもいろいろなことが関係しています。そのため、栄養教育では、対象者の周りの環境を含めて今どんな状態にあるかを把握・理解することが欠かせません。

細田ゼミでは、学生の興味ある食・健康に関わるテーマについて、現状や課題を知り、それに対してどのような教育・支援ができるかを考えるために、さまざまな調査の方法を活用して研究を進めます。教員の専門は学校教育ですが、対象や分野をそれだけに限定せず取り組んでいます。

また、調査だけでなく、地域に出て実際の食育も行っています。

卒業研究テーマの一例
  • 大学生のメディアの利用が食・美容行動に与える影響
  • 高校生の家庭での食に関する主観的QOLに関する要因について など

尼子克己ゼミ 研究分野: ビタミンC、酸化ストレス、寿命

教員紹介

ヒトは理論的には120歳ぐらいまで生きられると言われています。寿命の長さは生物種によって大きく違いますが、その長さを支配している遺伝因子、環境因子には生物に共通のものが少なくありません。よく「体が錆びる」などといった表現で老化を説明するように、生体成分の酸化損傷は寿命を縮める大きな要因の一つであり、ビタミンCをはじめとする食餌性抗酸化物質はこれを抑制する成分として期待されています。

研究室では酵母などの単純なモデル生物を用いて、動植物の抗酸化物質の生合成系の探索・強化、あるいは抗酸化成分による細胞のストレス状態や老化に及ぼす影響を調べ、人間の健康寿命延長にそれらの知見をどのように役立てられるかについて考えています。

卒業研究テーマの一例
  • トロイカ酵素サイクリング法によるビタミンCの生産
  • 分裂酵母におけるアスコルビン酸アナログ生合成経路の探索
  • 出芽酵母における細胞内外のビタミンCが生育に及ぼす影響
  • トランスグルタミナーゼ製剤による物性変化とアレルゲン性 など
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