研究テーマ福井県における現在の報恩講とその食事
神社やお寺が好き。食文化の研究をしたかったので、浄土真宗が盛んな福井で親鸞聖人の忌日に毎年行われている「報恩講」での食事について調べてみることにしました。母方の祖父母は毎年報恩講に行っているので、私も今回は参加。実際に報恩講と食事の体験もしてきました。
昔から報恩講が盛んだった福井では、郷土料理も"おとき"(法要の後の食事)に端を発しているものが多いんです。でも報恩講が衰退してきて、おときも郷土料理も食べる機会が減っています。私は煮物が大好きだし、この食文化を残していくことを考えたいと思いました。
テ学生にアンケートをとり、おときを知っているか、食べたことがあるかなどを聞きました。報恩講を行っている高校もあり、知っている人が半分近く。また、3つの寺社にも実際に報恩講の見学と調査に行き、30年前の写真が残っていたのでその変化を記録しました。
若い世代からは興味がない、よくわからないという意見が多くみられました。だからまずは知ってもらうこと。すでに、おときの試食会などの試みをしているお寺もありますが、そういったイベントとともにもっと広く情報発信をし、気軽に参加してもらうことが大事だと感じました。
大西さんは料理が好きで好奇心旺盛。クッキングサークルでも栄養士の卵として、ずっと活躍していました。料理が好きでも食文化を研究テーマに選ぶ学生が少ないので、興味を持ってくれたことはうれしかったです。食文化は限られた文献を次々と紐解いていかなければならないので、難易度が高く奥が深い分野。今回、調査し学んだことを今度は伝えていくことも大事です。料理教室の先生になる大西さんには、今後、調べたことを多くの人に広めていってほしいと思います。