『小学校学習指導要領 国語編』を読み、国語科で育成を目指す資質、能力について理解をした上で、小学校国語の教科書をもとに「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」「言葉(漢字、語彙、文法)」などについての指導法と教材研究の仕方について学びます。 小学校国語教科書の教材をもとに、教材研究をして指導案を作り、模擬授業を行います。教材研究、指導案作りでは、読者の立場、児童の立場、教師の立場から教材を分析し、この教材でどのような力をつけたいか、そのためにはどのような言語活動が適しているのかを吟味します。 授業の導入、展開、まとめの各段階で、発問、児童への関わり方や支援の仕方、板書などについて、良かった点と改善すべき点を分析し検討します。この授業でねらいとする国語の力をつけることができたかどうか、児童が意欲的に取り組める内容だったかが大事なポイントになります。
国語科教育法
生き物の飼育を体験するために、それぞれの学生が自宅でメダカを飼育します。そして、メダカの特性や育て方を、本やインターネットで調べてまとめます。水槽はどんな物がいいのか、水の量や温度は? エサは? さまざまな疑問を自ら体験的に解決していきます。 「ヒメダカ」のオスとメスを1匹ずつ、用意した環境で飼ってみます。メスが卵を産んで、子メダカが生まれるまでの約1ヵ月、観察を続けます。中には1ヵ月の間に死んでしまう場合もあり、そんな時どうすれば良いのか、どう感じたかについても記録として残します。 観察したことに基づいて「メダカレポート」をまとめます。この飼育体験が、保育内容指導法にどのように関係していくのか、というところまでを考察します。また、メダカの命に関わって何を感じたか、命についても考える機会にもなります。
保育内容指導法(環境)
リズムや拍子というと、三拍子、四拍子などが思い浮かびますが、どういう仕組みになっているのでしょうか。わらべ歌や誰でも聞いたことのある言葉遊びなどを例に、そのリズムや拍を手拍子でなぞってみます。リズムのまとまりを体感したら、それを楽譜に書き表します。 メロディーはド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドといった、その「音階」に使われている音を組み合わせることで成り立っています。その音階の中のたった1つの音を変化させるだけで曲の雰囲気がガラッと変わることを知り、「調」についても体系的に理解していきます。 「和声」つまりハーモニーは、私たちが音楽に親しみを感じたり、ヒット曲が生まれたりすることに最も深く関わる要素です。実際に声を出してハモってみながら、和声や曲のコード進行(和声の組み合わせ)について知り、音楽を全体的な視野で理解していきます。
音楽Ⅰ
同じ平面の造形でも、絵の具を使ったもの、クレヨンを使ったもの、いろいろな造形技法があります。教材研究をし、学生自身が制作しながらそれらの特徴と使い方、表現技法を身につけていくことになります。そのために、まずは作例を見ながら制作手順を理解します。 画用紙に絵の具を垂らして作品を作る造形遊びを体験します。絵の具を垂らした後で画用紙を傾けると、絵の具が流れて模様ができます。色を重ねたり、ストローで吹いて絵の具を散らしたりして絵の具の性質を学びながら、偶然生まれる色や形を楽しみます。 絵の具が垂れてできた模様に、上手い下手はありません。どんな作品ができたかをお互いに見せ合い、工夫についても教え合います。造形遊びをとおして感じたことや、体験する前にイメージしたことと実際に体験してわかったことの違いなどについても話し合います。
図画工作Ⅰ
日本の保育の基本的な考え方や保育の内容などを示した『保育所保育指針』を読んで、現在の子どもを取り巻く環境と課題について考えます。そして、昔と今では遊ぶ「空間」や「仲間」、「時間」といった3つの「間」が大きく変化していることにも着目していきます。 興味のある課題について一つを選び、その視点を持って保育所に見学に行きます。昨年は「多文化共生保育」を課題とし、外国籍の子どもが多く通う保育所に見学に行きました。実際に子どもとふれあったり、保育士から話を聞いたりすることで、課題について理解を深めます。 多文化共生をはじめ、保育について自分の興味のある課題を取り上げ、資料を読んだり、必要に応じてインタビューをしたりして調べます。そして、その課題についての自分の考えをまとめていきます。最後にはパワーポイントにまとめて発表します。
保育原理Ⅱ
幼稚園や保育所では、子どもの健康を守るためどんなことに気をつける必要があるのでしょうか。まずは0歳児から小学校に上がる前の子どもの定型発達について、動画や資料で学びます。そして、子どもに必要な生活リズムや清潔、衛生などについても幅広くとらえていきます。 おおまかにとらえた全体像をもとに、自分が保育士・幼稚園教諭になった時をイメージして、子どもの健康のために気をつけるべきことについて、グループに分かれて出し合います。出た意見は、模造紙にふせんで貼って分類し、場面設定をした話し合いもして理解を深めます。 健康というのは、身体だけではなく精神的にも、人間関係など社会的な面から見てもすこやかな状態のこと。子どもの生活習慣は、身近な大人に影響を受けやすいため、保護者への働きかけや子育て支援は重要です。それらに気をつけながら、実習を行えることをめざします。
保育内容指導法(健康)
平成30年度から、小学校の道徳は、教科書を用いて授業を行う「特別の教科」となりました。新しい『学習指導要領』には、その目的や留意点が詳しく書かれています。以前の学習指導要領から一体どこが変わったのでしょうか。改訂前のものと並べて読み比べてみます。 小学校の道徳の教科書の中から一つの教材を取り上げ、グループで分析していきます。子どもが自分で考えて判断できる力をつけていくためには、教材のどこに注目し、どの部分で質問を投げかけるのがいいか。実際に教える場面をイメージしながら話し合います。 教材の分析をしたグループのメンバーで協力して、指導案をつくってみます。指導案は、実際の授業を行う時に、教員が用意しなければならないものです。授業を行うところを想像しながら、また、定められた形式にも気をつけて作成し、チェックを受けながら完成させます。
道徳教育の理論と方法
まずは、子どもが遊びの中で触れる「うんてい」や「滑り台」などの固定遊具の特徴を理解し、それらを使って遊びながら身体機能を高める方法について学びます。次に、器械運動に使われるマットや跳び箱、鉄棒などの器具の特徴や安全な扱い方について学びます。 器具を出してセットするところから、実技、片付け方まで、子どもへの教え方を考えながら器械運動を体験します。自分の実技の様子を撮影した動画を観ながら指導を受けることで、ポイントとなる体の動かし方や手足の使い方などの指導方法を具体的に考えていきます。 自分で体験したことを振り返り、教え方をまとめます。どこにポイントを絞って指導すると子どもが理解できそうか、一連の動きを図に描き、そこに短い文章で解説を加えていきます。実技でやった、手を着く位置や目線などを思い出しながら自分の言葉で説明できるようにします。
体育Ⅱ
教える立場に必要なスキルを身につけるには、自分が授業を受けてきた経験に縛られず、それぞれの子どもの発達を見極めながら教えていくことが重要です。まずは、各発達段階の子どもに、何を使ってどんな伝え方をすれば効果的に学習できるのか、講義を通して学びます。 実際に教える立場に立った時、子どもにちゃんと伝わるのかどうかを考えて、授業用のワークシートやテスト問題を作ってみます。幼児向き、小学校低学年向きと、高学年向きとでは、授業効果の見極めや自分の設問のしかたが異なり、それなりの工夫が必要だと気づきます。 作った教材について各自が説明し、評価をし合い、グループワークをします。子どもの記憶力は、年齢によって異なること、それに応じた教育技術の大切さなどをもう一度振り返り、教える側としての課題に気づく機会になります。これを通し、自分なりの目標が見えてきます。
教育心理学
動画を使って伝えたいことを効果的に伝えるには、いろいろな手法があります。多くの静止画を連続再生することで動いているように見える、ストップモーションアニメや、クレイアニメなどの技術を使ったいろいろな動画を鑑賞し、映像によるさまざまな表現手法を学びます。 「こんな動画をつくりたい!」というイメージができたら、それに適したスマートフォンのアプリで撮影するなどして、動画のための素材を用意します。動画編集ソフトの使い方を練習しながら、音声や音楽も組み合わせて自分なりに編集。1分半程度の動画を完成させます。 課題の動画ができたら、講義専用の共有サイトにアップ。クラスメイトの動画を見て、コメントをし合います。自分の動画にはない発想や、高度な技術を見つけて教えあったり、実際に保育や教育でどう活かすかについて一緒に考えたりしながら、技術を向上させます。
子どもの映像文化
そもそも子どもとは? 法律に子どもがどのように位置付けられているのかがわからないと、将来保育士になった時に、専門職としての大切な役割が果たせません。子どもに関する法律や制度を知ることから始め、内容の理解につなげていきます。 法律や制度は、実は普段の生活に深く関係しています。講義の最後には必ず振り返りをし、身近なことに置き換えて考えます。たとえば、自分の通っていた保育所の運営主体は? 子どもの頃、児童手当はもらっていたの? さらに知りたいことを自分で調べて理解を深めます。 子どもに関する法律や制度を知ると、社会での保育士の位置付けが見えてきます。子どもに向き合うことばかりではなく、福祉の視点から、家庭支援や子育て支援を行うことも大きな役割であると理解できるでしょう。将来どんな保育士になりたいか、イメージを膨らませます。
子ども家庭福祉
「人間関係」は、「保育所保育指針」等3法令の中で示される保育内容の5領域の一つ。この指針を読み合わせ、子どもの人間関係の発達を保育者がどう援助するのか、3つのねらいと、ねらいを達成するために指導する具体的内容についてグループワークで理解していきます。 就学前の子どもに指導すべき内容について、各グループ1項目ずつ担当し、発表します。資料を用意したり、寸劇をしたり、発表のスタイルは自由。発表を通し、保育者が一方的に教えるのではなく、子ども自らが気づけるような関わりの大切さについても考えます。 教科書や映像教材などの具体的事例をもとに、自分が保育者だったらその場面にどう関わるか、グループワークをします。どの発達段階の子どもにはどういう伝えかたをすると理解がしやすいのか、発達についても振り返りながら、実習でも活かせるようにイメージします。
保育内容研究(人間関係)