地域共創センターでは、地域への「知の提供」のために、教育・研究・支援の成果を活かした学術的・文化的講座や、地域の皆さまのための教養・スキルアップ講座など、多彩な講座を開講しています。
今回の公開講座は、宗教教育研究センター特別招待講座として同センターとの連携により、3月8日(土)13時00分~14時30分に、本学講義室において開催しました。講師は木村 宣彰 鈴木大拙館館長(大谷大学名誉教授・元学長)で「今、鈴木大拙に学ぶ ―仏教の教え―」という講題でした。
この講座は、本学の学生に仁愛大学の建学の精神である聖徳太子の和の精神、親鸞聖人の教えに基づく人間の育成を推進するなかで行い、地域の皆さまにも公開して開講したものです。
木村先生は、鈴木大拙師の業績や人となり、そして生活の中での仏教の学びなどについてお話をされました。
木村先生は、学生時代に直接、鈴木大拙先生に学ばれ、先生の声を直接聞かれました。大拙師によると「仏教の行はリビングすなわち生活であり、生活の中で学ぶ。また、仏教は生活の中にある。過去や未来や色々なことにとらわれ苦しむ自分、今が大切である。そして、〝今を生きる、すぅーと生きる〟。こだわらない生き方を学ぶのが仏教の教えであると。このすぅーと生きる典型的な人が妙好人(一般庶民で真実の教えにめざめ、お念仏の生活を送った人)であると、浅原才市の句を紹介され、妙好人を〝日本的霊性の具現者〟と捉えられました。日本的霊性とは、二つの概念が矛盾または対立の関係にあり、分別意識にもとづく一切の相対的対立の矛盾を包み込み、根底で支えている永遠無限のはたらきである。対立・抗争を超えて平和を実現するには、日本的霊性に目覚めることが大切である。」と鈴木大拙師は言われたとお話しして下さいました。
最後は、鈴木大拙師が、かつてノーベル平和賞の候補にあがっていたことを、木村先生は嬉しそうに語られ「是非、鈴木大拙館にお越し下さい!」と受講者の皆さんに伝えて講座を終了しました。