地域共創センターでは、地域への「知の提供」のために、教育・研究・支援の成果を活かした学術的・文化的講座や、地域の皆さまのための教養・スキルアップ講座など、多彩な講座を開講しています。
今回の公開講座は、
3月3日(月) 18時30分~20時00分に、仁愛大学 B109衆会ホールにおいて、心理学科 西村則昭教授による「地獄の話」というテーマで開催しました。
講座では、仏典に語られる地獄のイメージを通して学びました。初めに浄土教について簡単にお話がありました。
恵心僧都源信『往生要集』に、厭離穢土・欣求浄土(おんりえど・ごんぐじょうど)について書かれており、穢土とは六道(地獄・餓鬼・畜生・人・阿修羅・天)のことなんだと先生から、説明がありました。また、この中で一番大変なのは、死ぬ時が一番苦しいとされる天(天界)とのことでした。
また、地獄の中に殺生を行った者が落ちる「等活地獄」(とうかつじごく)という地獄(もう一人の自分と身体を引き裂き合い殺し合う地獄)があり、先生は「この地獄を心理学的に読み取ると、ここには幼児期において母親と充分な情緒的交流を持てず、自分自身の基盤をうまく作れなかった人の深層心理が表現されているのではないか」とお話しされました。
先生は、道元の言葉に前後際断(時間は、過去から未来へと間断なく続く線のようなものではなく、電燈のように一瞬一瞬消え去る瞬間の持続であるという意味)という言葉があるが、そうした時間を味わうことが非常に大事で、仏教の基本はそういうものだともお話されました。
その他にも、映像見ながらたくさんの地獄についてのお話があり、最後に先生はご視聴頂き有難うございましたとの感謝の言葉を伝えて、講座を終了しました。