地域共創センターでは、地域への「知の提供」のために、教育・研究・支援の成果を活かした学術的・文化的講座や、地域の皆さまのための教養・スキルアップ講座など、多彩な講座を開講しています。

 今回の公開講座は、宗教教育研究センターとの連携講座として
3月16日(土)13時00分~14時30分に、本学講義室において、大谷大学 一楽 真 学長による「南無阿弥陀仏の呼び声」というテーマで開催しました。

 この講座は、本学の学生に仁愛学園の建学の精神である聖徳太子の和の精神、親鸞聖人の教えに基づく人材の育成を推進するなか、地域の皆さまにも広く開放して公開講座として開講したものです。

今回は、一楽先生に南無阿弥陀仏とは仏からの呼び声であるということを、南無阿弥陀仏の意味を通してお話していただきました。

前半は、5つの濁りについて説明があり(五濁悪世)、この世が濁っている(劫濁)、思想が濁っている(見濁)、貪りや怒りを中心にして濁っている(煩悩濁)、生きている者が濁っている(衆生濁)、いのちそのものが濁っている(命濁)との話をされ、人間は自分中心で自分が正しいと思って突き進む。この人間が怒り貪り、妬み、嫉みの心を無くすことはできるのか、傷つけ合うことをどのように超えるのかというお話でした。そして『涅槃経』の「慙愧」の説明をされ、「慙は人に羞ず、愧は天に羞ず」、「無慙愧は名づけを畜生とす」とし、慙愧の大切さを語って下さいました。

後半は、阿弥陀仏の本願についての説明があり、南無阿弥陀仏は、阿弥陀仏が本願によって選び取られた十方衆生を浄土往生させるための働きで、「本願招喚の勅命なり」と親鸞聖人は仰って、私に向かって必ず救う呼び声が南無阿弥陀仏とのお話でした。

最後に先生は「南無阿弥陀仏の呼び声は例え子どもの声であっても、阿弥陀仏の本願が声という形になって、私に届けられます。念仏は、自力の行でもなく、私たちが積み上げたものでもありません。大行すなわち仏の行です。」と、語る先生のお話に、受講者の皆さんうなずきながら聴き入っていました。

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