令和6年度(2024年度)から仁愛大学人間学部コミュニケーション学科に、「観光学特設コース」を開設します。
観光はまちづくり・地域づくりにとって重要な位置を占めており、地域振興の基盤となるものです。
地域観光の社会的・文化的な意義を学び、これからの観光のあり方を創造できる力を身に付け活かすことは、地域を魅力あるものに変え、地域を支えることに繋がります。
今回の観光公開講座は、人間学部コミュニケーション学科・公益社団法人福井県観光連盟連携講座で、第三回目の講座を10月22日(日) 13時00分 ~ 16時20分、仁愛大学 A301において公益社団法人 日本観光振興協会 総合研究所顧問、丁野 朗先生、MPower Partners Fund L.P. ゼネラル・パートナーのキャシー 松井先生、公益社団法人 福井県観光連盟観光地域づくりマネージャーの佐竹 正範先生、およびTSUGI LLC. 代表で一般社団法人SOE 副理事の新山 直広先生による「観光と社会」というテーマで開催しました。
初めに丁野先生から講座が始まり、文化が地域をひらく時代であるとのお話から始まりました。
顧客属性に沿った「サブ・ストーリー」づくりを体験・感動することが重要であるが全体的に30年~50年ほどのスパンがかかるそうです。文化資源の活用は地域の総合力が試され、しっかりした情報・まちづくりが大切とのことでした。
最後に丁野先生は「文化と観光は決して対立ではなく、共存関係で動けば相乗効果を生み出し、経済効果が大きく変わるのでとても大切です。また、その地域に見合った地域のオリジナルストーリーを構築することでその事業が収益を生むことに繋がります。」とお話をしてくださり講座を終了しました。
次にキャシー松井先生からのお話が始まり、安倍総理が「アベノミクスをたちあげる前にウーマノミクスをどうにかしないといけない。」と記者の前で発言した時に多様性が経済に不可欠だと思った瞬間とのことでした。
また、日本人女性が圧倒的に仕事を辞める理由は「仕事への不満」や「行き詰まり感」が多いとのお話もありました。国内でも47都道府県の女性就業率と出生率の間に正の相関があり、なんとグラフで一番高いのは福井県ととても嬉しい報告です。
最後にキャシー 松井先生は「周りにある国の憧れの街は、間違いなく日本です。多様性を受け入れるには時間もかかり容易ではないですが、皆で乗り越えていきましょう。一人一人の人材のポテンシャルをフルにださせる事が大切だと思います。」とお話をしてくださり講座を終了しました。
次に佐竹先生から「なぜ今、福井県に観光が必要か」についてお話が始まりました。
観光で自然や歴史を見るだけなら無料で済むが観光客が観光地にお金を落とすことで、観光地の経済が活性化するので左から順に「宿泊➤食事➤体験➤自然・歴史」とお金が落ちる仕組みになっているとのことでした。
最後に佐竹先生は「美味しい食べ物だけで呼び込んでも観光客はやって来ません。電車や二次交通も大切となってきますし、推奨度ランキングが高いところは満足度ランキングに繋がります。観光アンケートを参考にして、本質的に解決した方がいいと思ったものは、解決にむかうことが重要!」とお話をしてくださり講座を終了しました。
引き続き、新山先生から産業観光についてお話がありました。
越前・鯖江について、地場産業が7つ(眼鏡・越前漆器・越前和紙・越前打刃物・越前箪笥・越前焼・繊維)も残っており、類を見ない福井県の強みとの誉め言葉がありました。
また、工房見学を手段に地域外に魅力を発信し地域内にはものづくりの誇りを取り戻すためにも、産業観光を通して、持続可能な地域をつくり、来場者に対し産地のものづくりをじっくり体感してもらうことでファンも増え、更には参加事業所が自分ごととして行動することで、意識が変わるとのお話がありました。
最後に新山先生は「ふるさと納税を使って、関係人口(特定の地域に継続的に多様な形でかかわる人のこと)を増やし色々見てもらい、皆さんや自治体と繋げていきながら、これからも頑張っていきたいと思います。」とお話をしてくださり講座を終了しました。