地域共創センターでは、地域への「知の提供」のために、教育・研究・支援の成果を活かした学術的・文化的講座や、地域の皆さまのための教養・スキルアップ講座など、多彩な講座を開講しています。

今回の公開講座は、

6月8日(土)10時00分~12時00分に、仁愛大学 G405の科学実験室において実施されました。

講師は、子ども教育学科の西出和彦教授、タイトルは「たったひとつの卵から始まる形づくり」で、ウズラの受精卵を温めて、心臓が動き始めた頃とその心臓や血管に血液が流れ始めた頃のウズラ胚を観察しました。

最初に、サポート役の西出研の学生たちが紹介されたあと、ウズラの卵や初期発生過程について説明がありました。

そのあと、3日間温められたウズラの受精卵の殻を専用のハサミを使って切り取り、胚の観察をしました。卵の殻を切り取ってピンセットで殻を取り除くと、黄色い黄身の上に赤く染まったクモの糸のようなもの(血管)や赤い小さな粒が見えました。

受講者から「動いてる!」との声が上がり、すると先生から「その動いているのが心臓です。」と説明がありました。

次に、ドーナッツ状に切り取った直径15mm程度の濾紙を使って、心臓が動いている胚を黄身の上から取り出し、スライドガラスにのせて実体顕微鏡で観察しました。すると心臓の動きはさらにはっきりと観察でき、血管の中を流れる赤血球までも見ることができました。

最後に先生は「今回は、温めている途中のウズラの卵を開いて、心臓が動いている様子を観察していただきました。食べ物として命をいただくことがあるように、実験や観察のために生き物の命を奪うことがあります。 生きものの形づくりの不思議さを考えると同時に、命について考えていただけましたら嬉しいです。」と、熱く語る先生のお話に、受講者の皆さんうなずきながら熱心に聴き入っていました。