地域共創センターでは、地域への「知の提供」のために、教育・研究・支援の成果を活かした学術的・文化的講座や、地域の皆さまのための教養・スキルアップ講座など、多彩な講座を開講しています。

 今回の公開講座は、宗教教育研究センターとの連携講座として
6月1日(木)~6月29日(木)18時30分~20時00分に、本学講義室において、田代 俊孝 学長による「『歎異抄』入門」というテーマで毎週木曜日、全5回の講義を開催しています。

 この講座は、本学の『宗教教育研究センター』との連携による講座で、本学の学生に仁愛学園の建学の精神である聖徳太子の和の精神、親鸞聖人の教えに基づく人材の育成を推進するなか、地域の皆さまにも広く講座として開講したものです。

 今回の第一回の講座では、田代先生に『歎異抄』の内容・著者・構成・二つの禁書説・『観経』との関係についてお話していただきました。著者については、正確に言えば、作者不詳ですが、了祥師のたてた「河和田唯円」説が定説になっています。なぜそうなのかを根拠を挙げて詳しく説明してくださいました。また、善導・親鸞の『観経』理解が「歎異抄」のベースになっていて、道徳的徳目を実践する「散善」や「三福」すら、及び難き行で、それすらできなくて念仏しかないという親鸞自身の告白が、本書の内容であるといえると教えてくれました。

 おわりに、「歎異」とは、一般に正統が異端を歎くと理解されるが、その場合、正統とはいつも「私」で、相手が「異端」となります。そうすると不毛の争いになります。そうではなく、「私」が真実に異なっていると理解してこそ、本書を単なる古典ではなく、宗教書として受け止めることができるでしょう。『歎異抄』を通して、真実に異なっている自分を問うてみましょう。」と次回の「歎異精神」の内容を予告し、終了しました。

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