地域共創センターでは、地域への「知の提供」のために、教育・研究・支援の成果を活かした学術的・文化的講座や、地域の皆さまのための教養・スキルアップ講座など、多彩な講座を開講しています。

 今回の公開講座は、3月29日(水)18時30分~20時、本学講義室において、仁愛大学非常勤講師 坂東照啓先生による「日本人がブラジル人との交流を深めるために知っておきたいこと」というテーマで開催しました。この講座は、ブラジル人市民が多く暮らす越前市の多文化共生の推進に向け、越前市様並びに株式会社福井村田製作所様からの寄附金を活用した寄附講座です。

 講座では、「ブラジルは、日本から遠く離れているにもかかわらず友好的な関係を築いてきた国です。ブラジルの文化・歴史や日系人、ブラジルの人たちが日本で働く背景などを理解し、私たちの近くに暮らしているブラジル人との共生について考えましょう。」との課題から始まり、「ブラジルの主食は、お米や豆(フェイジャウン)やパンとなっています。また、飲み物はコーヒーやガラナ(炭酸飲料)です。」「治安上の課題を抱えるブラジルでは、泥棒の侵入防止のため玄関に注意書きで"獰猛な犬がいる、"監視カメラがある"などの看板を出している家もあります」と生活面もお話しされ、続いて、国の歴史等の話をいただきました。

 「1888年に奴隷を解放するが、コーヒー農園で労働者が不足し、労働力不足解消のために移民を導入しました。」「日本とブラジルが深い関係を持つようになった歴史は、1888年の奴隷制廃止を受けての戦前・戦後にわたる日本からの移民によって始まります。」と、ブラジルの歴史や、その背景にある労働力の過剰、貧困問題など当時の日本の状況等についてもお話をいただきました。

 最後に、坂東先生から「日本人がブラジル人との交流を深めるためには日本人もブラジル人も、お互いが相手の文化や価値観の違いを理解し、尊重し認め合うことがとても大切です。」と、熱く語る先生のお話しに、受講者の皆さん全員が強い関心のもと、うなずきながら熱心に聴き入っていました。

 受講いただいた皆さんからも、「学生時代の歴史の授業で、あまりブラジルのことには触れていないので、ブラジルと日本の関係を知ることができてありがたかったです。」との、感想を多くいただきました。

 本学では引き続き、令和5年度も多文化共生の推進に向けて「ポルトガル語」をはじめとした、各種講座を予定しております。

 皆様には、今後も本学ホームページやチラシ等でご案内させていただきますので、是非ご参加いただきますようお願い申し上げます。

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