2022年03月18日令和3年度学位記授与式 学長式辞
日野山の残雪も日ごとに少なくなり、代わって新芽が芽吹く今日、ここに令和三年度の仁愛大学(ならびに仁愛大学大学院)の学位授与式を挙行いたします。
今年度は、新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため、学部ごとの開催となりました。二年余のコロナ禍の中でそれに耐え、この度卒業される 人間学部 心理学科 81名、コミュニケーション学科 73名 計154名の学士の学位を授与された皆さん、人間学研究科 臨床心理学専攻 4名の修士の学位を授与された皆さん、ご卒業および修了おめでとうございます。人間生活学部 健康栄養学科 75名、子ども教育学科 76名 計151名の学士の学位を授与された皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、御列席の保護者の皆さんにも心からご祝意を申し上げます。併せて、ご子息・ご息女の在学中に本学へ寄せていただきましたご支援、ご協力に対しましても、心より謝意を表します。
さて、皆さんの進路はさまざまですが、在学中に培われた専門的な知識や技能、体験をベースとして一人ひとりが、それぞれの場で活躍されていくことに、大きな期待を寄せるものであります。それと同時に、「仁愛兼済」という本学の建学の理念に基づく高度な教養としての人間的学びも、皆さんの人生に大きな意味をもつものと確信しております。
本学では、夏休み、春休みを除いて年8回、「ソウルメイキング・キャンパス仁愛」と銘打って、建学の精神をやさしい言葉にして学内各所の掲示板に掲げています。今、掲げられている言葉は、源、深くして、流れ遠し〈源深遠流〉 言い換えれば、学び、深くして、活躍広しということです。これは、本学のA号館会議室に掲げられている横額の言葉です。中国の禅僧の言葉ようですが、私はいつもこの横額を見ながら会議をしています。本学での学びが深ければ深いほど、流れは遠くに及び、活躍の場が広くなる。仁愛大学での学びの源を深くして、流れを日本中に、いや世界中に及ぼしてほしい。それが、本学の学是である「うるわしき世を拓く灯となるために」ということの成就を意味するのです。これが仁愛精神です。社会に巣立つ皆さんは、この願いを心にとどめて、それぞれの人生を歩んでいただきたい。
人は、一つの言葉で涙を流し、一つの言葉で笑う。一つの言葉で魂が揺さぶられ、一つの言葉で勇気が湧く。そんな一つの言葉との出会いが、人生を深めてくれます。このような「人間」と「心」を回復する「ソウルメイキング・キャンパス仁愛」での学びは、皆さんのこれからの人生の礎となることでしょう。今の社会は、そういう「心」のある人を求めているのです。なお、皆さんの四年間ないしは二年間の在籍中の「ソウルメイキング・キャンパス仁愛」の標語と、入学式、学位授与式の学長式辞のアンソロジーを、「あなたに贈る言葉-うるわしい世を拓く灯となるために-」と題した小冊子にまとめました。今日、旅立つあなたへ記念に、それを贈らせていただきます。
最後に、皆さまのさらなるご活躍と人生の深い営みを念じまして式辞といたします。
令和4年3月18日
仁愛大学 学長 田代俊孝