仁愛大学【受験の窓】

心理学科PSYCHOLOGY

聴くことが支援に!
共感的コミュニケーション

聴くことが支援に!共感的コミュニケーション

共感できないから支援できない?大切なのはわかろうとする姿勢

カウンセリングは、受容や共感、傾聴が基盤だといわれます。心理療法でいう共感とは、まずしっかりと五感を使い、相手の身になってありありと想像しながら聴くことが前提。そして「相手の体験を相手の視点から正確に理解すること」(エンパシー)と、「自分の中に生じてくる痛みを共にする思いやり」(コンパッション)の両方が大切です。この共感的理解を踏まえ、「あなたはこう感じているのだと私には思えました」と、カウンセラー自身が伝えることで、信頼関係やクライアントの自己理解が深まることがわかってきました。

しかし、人は皆異なる存在であり、相手の体験を完全には理解できません。否定的な考えが湧いたり、助言したくなることもあります。そこで最近では、たとえばアルコール依存など同じ悩みを抱える当事者同士が支えあう、ピアサポートという活動が増えてきました。支援者・被支援者ではなく、同じ立場による共感的コミュニケーションです。正確に共感することが目的ではなく、わかろうとする真摯な態度とプロセスこそが重要なのです。

高校時代は悩みが多い時期ですが、ぜひ身近な友だち同士で共感的に聴きあい、乗り越えていってくださいね。

吉水 ちひろ 准教授
吉水 ちひろ 准教授専門分野「発達臨床心理学」
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