仁愛大学【受験の窓】

心理学科PSYCHOLOGY

ラットが仲間を救う?!
動物にも感情があるの?

ラットが仲間を救う?!動物にも感情があるの?

人の心のメカニズムを知るために、動物の心を探る動物心理学!

困っている人を目の前にしたときに、その人の心情に思いをはせ、ときには手を差し伸べる…そうした能力は人だけのものでしょうか。実は、ネズミも困難な状況におかれた仲間を助けるということが知られています。

まず1匹のラットを狭い筒に閉じ込めます。筒の出口には扉がついていますが、筒の外側からしか開けることができないため、自力で筒から脱出することはできません。この筒を実験箱の中に置き、仲間のラットを実験箱に放します。筒に閉じ込められたラットの姿は見えるし鳴き声も聞こえる状態。すると、仲間のラットは何度も扉を開けようと挑戦し、ついには仲間を助け出すのです。

でも、ラットは本当に仲間を助けるために扉を開けたのか? 扉を開けるのが楽しいとか、筒の中にあるモノに興味を惹かれただけかもしれない。そこで、筒の中が空の状況や、仲間の代わりに玩具を筒に閉じ込めた状況で同じ実験をおこなったところ、どちらの場合でもラットは扉を開けようとしなかった。こうした実験の積み重ねから、ラットも仲間を助ける行動をとるという結果が得られました。

ひとつの実験だけではわからないことを、他の可能性を一つひとつ検証しながら確かめていく。動物心理学は、動物を通して人の心の仕組みを明らかにしていく興味深い分野です。

山岸 厚仁 助教
山岸 厚仁 講師心理学科・専門分野「動物心理学」
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