教化に臨む近世学問ー石門心学の立場
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「学問は大学で学ぶもの」というのが現代のイメージだと思いますが、江戸時代の学問は、もっと様々な場で様々な人々によって語られていました。そうした場で学問は人々の視線にさらされ、時には「くだらぬ教え」として非難されることもありました。本書は、江戸時代に学問なるものが人々にいかに語られたかについて考察したものです。特に、石田梅岩とその弟子手島堵庵に注目し、彼らが学問を語り出す際にいかなる立場に立ち、いかなる困難を背負い込んでいったのかに注目することで、これからの学問のあり方、これからの教育のあり方について考察しました。