老いと死を伝える子どもの本 1980年代、子どもの本の世界で高齢者は、好々爺としてまつり挙げられていた。そこに突如谷川俊太郎『おばあちゃん』ばるん舎(1981)が登場。認知症の高齢者が主人公で、実子を忘れ、寝たきり、おむつ交換など現実を直視した絵画描写で、読者に高齢者像を情け容赦なくぶつけた。まざまざと見えてくる高齢者と家族の葛藤、これこそ避けてはならない世界であると痛感し、この世界をまとめ上げておかねばならないと危機感を感じながら書きためてきたのがこの1冊である 谷出千代子著 大空社 2011年刊 子ども教育 附属図書館の貸出状況