2025年12月04日動物供養式を執り行いました。
11月27日(木)12時30分から、令和7年度仁愛大学動物供養式を衆会ホールにて行いました。本供養式は、研究・教育に貢献した実験動物の生命の尊厳に対する敬意及び感謝の念を表するため、動物実験委員会が主催して毎年開催しているものです。
当日は、関係教員・代表学生約70名の参列のもと、田代学長による読経に続いて、研究のために犠牲となった実験動物たちに対して感謝の思いを持ちながら、焼香を上げました。
読経と焼香が終わると田代学長より、「東洋の思想では、生きとし生けるもの、すべての命は平等であると考えます。しかし、私たちは研究や学習のために、その命を奪わなければならない。生き物は死ぬために生まれてきたのではありません。すべての生き物は生きるために生まれてきたのです。本来、生きるために生まれてきた命を、自分たちのために奪ってしまう。そこに強い「痛みの心」を持つことこそが、人間としての営みです。仏教には、殺生をしてはいけないという戒律があります。手を合わせ、真理の前に跪くことこそが、強い「痛みの心」を形に表していくことになるのです。仏教における仏とは、「智慧」と「慈悲」の働きであり、それを光にたとえています。そして、そのはたらきを感じとることができる人は、仏の存在に頷くことができます。生き物を殺してはいけないことがなぜ自覚できるかといえば、仏の智慧によるからです。そのことによって、自分の苦を超えていくことができます。常に、生き物に対する痛みの心を忘れずに持っていただくことが、人間性を回復する道なのです。今日は、その心を胸に刻んでいただきたい。」との言葉が述べられました。
引き続き、教員代表挨拶として動物実験委員会の委員長である鳴瀬碧教授より、「実験動物の尊い命の犠牲により、貴重な研究成果が得られ、学術論文の作成や学会発表を行うことができる。また、この尊い命は学生に対する教育活動に寄与し、生命に対する倫理観の育成に多大な貢献をもたらしている。生命科学の目覚ましい進歩は、数多くの実験動物の犠牲の上に成り立っており、かけがえのない命に対する感謝の気持ちを決して忘れてはならない。その命に報いるためにも、今後も動物実験規則並びに実験動物の基準理念である「3Rの原則(代替法の利用、使用数の削減、苦痛の軽減)」に基づいた適正な動物の使用・保管・実験の実施に努めていきたい。また、実験動物の尊い犠牲の上に得られた貴重な情報を、社会に貢献できる成果として発表し、還元していきたい。そして、実験動物のより少ない犠牲で優れた研究成果を社会に発信していくことこそが、犠牲になった動物への最大の供養になると信じている。最後に、研究・教育のために犠牲になられた多くの実験動物に対し、感謝と敬意を表し、私たちの健康や福祉が動物たちの命の上に成り立っている事実を再認識して、研究・教育に従事していくことを誓い、慰霊の言葉とさせていただきたい。」との挨拶が述べられました。